Docker Free Team の organization プラン廃止・撤回に関する情報

Docker Free Team の organization プラン廃止・撤回に関する情報

Docker Free Team の organization プラン廃止・撤回に関する情報

最終更新日 2023年4月4日

目次

概要

2023年3月14日(米国時間)、サブスクリプションプランの1つ「Docker Team」1https://docs.docker.com/subscription/details/#docker-team の「Free」(無料で利用可能)プランの廃止(sunsetting)を発表しましたが、その後3月17日に撤回を発表し、混乱に対する謝罪を表明しました。

  • 無料の Team を使っている組織やユーザは直接影響を受け、有償プラン切り替えなど、何らかの対策が必要です。
  • それ以外の一般ユーザも、organization として公開されている Docker イメージ(リポジトリ名が「組織名/リポジトリ」の場合。例:「dokku/dokku」)を利用している、間接的に影響を受けます。そのため、自分が使っている Dockerfile の確認が必要になり、リポジトリが公開されなくなる場合、あるいはリポジトリが移動する場合には、FROM など書き換えが必要です。

3月17日、Free Team プランの廃止撤回に伴い、以上の懸念は無くなりました。

本ページでは、公開されている情報を基に、事実ベースで影響範囲、対策、関連情報を整理しています。

発表内容

Docker 社からの発表 (2023/03/14)

時点で Docker Inc. の公式ページやブログからは、本件に関する情報は辿れません。3月14日、Organizations の Docker Free Plan 利用者を対象者に、第1報のメールが送信されました。その後、3月17日には、Docker 公式ブログ上で「We apologize. We did a terrible job announcing the end of Docker Free Team」(「謝罪します。Docker Free Team の終了について酷い行いをしました」)という Frem Team プラン廃止を撤回する発表が行われました(3月17日JST更新)。また3月24日の Docker 公式ブログ記事「We’re No Longer Sunsetting the Free Team Plan」で改めて正式に廃止撤回を表明します。また、3月25日(JST)には対象者に「We’re no longer sunsetting Free Team organizations」(Free Team organizationを一切廃止しません)という撤回の旨のメールが送られました。

2023年3月14日発表(メール第1報)

当時、該当する利用者に対してはメールでの通知(3月15日JST)と、詳細情報の PDF へのリンクが提示されました。メールの件名は「Important: Docker is sunsetting Free Team organizations」(重要:Docker は Free Team organization を廃止します)であり、メールの文面は以下の通りです。

この通知のポイントは「無料の Docker Team は 2023年4月14日でプライベートリポジトリが利用できなくなり、公開リポジトリも rate リミットが適用される。さらに、その1ヵ月後にリポジトリ(もちろん Docker イメージも)削除される」でした。※現在は撤回済み

詳細:

  • Docker Team サブスクリプションのうち無料で使えた「Free Team organization」は既に過去の存在(レガシー)。
  • Free Team は有料の Docker Team と同じ特徴や機能を持っている。
  • このメールが届いた利用者は、Free Team organization のメンバーの可能性がある。
  • Free Team のプライベートリポジトリは 2023 年 4 月 14 日(UTC午後11時59分、日本時間15日9時00分)に停止予定。
  • 回避するには 2023 年 4 月 14 日までに Docker Team の有料サブスクリプションに切り替える必要。
  • 有料サブスクリプションに切り替えなければ、データを 30 日間保管した後、削除対象となる
  • 削除対象となると、それまで公開リポジトリのイメージは公開されるものの、rate リミットが適用される。
  • 30日の期間中に有料プランに更新すると、いつでも回復できる。
  • 詳細は FAQ を読むように。

2023年3月25日発表(メール第2報)

その後、3月25日に対象者に対して Free Team プラン廃止撤回のメール「We’re no longer sunsetting Free Team organizations」が送られました。

詳細:

  • 2023年3月14日、Free Team プラン廃止に関するメールを送信。コミュニティからの懸念に耳を傾け、方針を転換し、Free Team プランの廃止を撤回。
  • Free Team プランを利用中の場合、4月14日まで他のプランに変更する必要がない
  • 有料プランにアップグレートした場合、30日以内に自動的に全額返金し、かつ、サブスクリプション契約期間は新しい有料プランを無料で利用できる。
  • 私たちの判断で不安を引き起こしたのを謝罪。
  • 詳細は FAQ を参照

Docker が発表した FAQ (2023年3月24日最新版)

Docker から通知されたメールには、 FAQ (PDF) へのリンク https://web.docker.com/rs/790-SSB-375/images/privatereposfaq.pdf が示されていました。現在、この PDF は書き換えられ、ウェブ上の FAQ https://www.docker.com/developers/free-team-faq/ が表示されます。

以下は FAQ の概要です:

Docker は Free Team プランを廃止するのですか?

いいえ。Docker は 2023年3月14日に Docker Free Team プランを廃止する意向を伝えました。しかし、この決定は2023年3月24日に撤回されました

他の Docker に何か影響がありましたか?

いいえ。以下いずれにも影響はありませんでした。Docker Personal、Docker Pro、Docker Team、Docker Business、Docker-Sponsored Open Source、Docker Verified Publishers、Docker Official Images。

オープンソースプログラムは Docker にまだありますか?

はい。長年にわたる Docker スポンサード・オープンソース(DSOS)プログラムは(既に撤回された)Free Team organization 廃止の影響を一切受けず、利用し続けられます。私たちは Free Team プランを越える利便性を提供しますので、適切なプロジェクトは、このプログラムの適用を推奨します。

Docker Free Team プランを使っているかどうかを確認するには?

Free Team の organization に自分が属しているかどうかを確認するには、 Docker Hub にログイン後、「Organization」をクリックします。

それから、Organizations の画面で一覧が表示されます。対象となる Organization の名前(Namespace)列を確認し、「Subscription」列が「Docker Free Team」と表示されている場合に影響を受けます。

Free Team organization を持っている Docker の利用者は 2% 未満です。

どうして今は料金ページに Docker Free Team が無いのですか?

2021年にサインアップのオプションを廃止したからです。

(有料)Docker Team プランと Docker Free Team プランの違いは何ですか?

主な利点の違いは:

  • team の数が無制限(vs Free Team では 1 team)
  • 100 人まで対応(vs Free Team では 3 人)
  • プライベートリポジトリが無制限(vs Free Team ではプライベートリポジトリが無し)
  • 5,000 pull/日/ユーザ(vs Free Team では 200 pull/6時間/ユーザ)
  • Free Team プランには、250 人以上の従業員または年間利益10百万ドル以上の企業に対する Docker Desktop の商用ライセンスに含まない

Docker Free Team プランの上限に到達したらどうなりますか?

Docker Free Team が更に必要な場合は、Docker Team や Docker Business へのアップグレードをすべきでしょう。

Docker Free Team が Docker Personal や Docker Pro に移行されたらどうしたらよいですか?

私たちはアカウントを移行しませんので、Free Team organization のまま使い続けられます。私たちのサポートチームは、この確認をする全てのオープンなお問い合わせに対応します。

3月14日から3月24まで、Docker Free Team を有料プランにアップグレードしていた場合、返金されますか?

私たちが発表した3月14日から3月24日にかけて発生した、この種の全ての支払を確認・返金するために取り組んでいます。返金は最大30日です。

Docker Free Team を有料プランにアップグレードしましたが、Free Team に戻せない問題が発生しています。

サポートにお問い合わせください。

私のアカウントからデータを出力(エクスポート)できますか?

はい、Docker レジストリ上のプライベートリポジトリからイメージを取得し、それらのイメージを任意の他のレジストリに送信してください。

Docker は公開イメージやレイヤを削除するのですか?

いいえ。Docker は削除するつもりは一切無く、公開リポジトリに対する一切のアクセス制限も行いません。オープンソースプロジェクトのメンテナは一切の対応が不要です。もしもメンテナが Docker Hub からリポジトリを削除した場合のみ、Docker Hub 上で公開イメージやレイヤが非表示になります。

(廃止された場合)他人に namespace を不法占有(squat)されますか?

いいえ。Docker は namespace を解放しません。そのため、namespace が不法占有される危険性は一切ありません。

これは Docker Hub 上のコンテンツのセキュリティに影響がありますか?

いいえ。Docker は公開リポジトリへの制限を行いません。メンテナは障害なく更新し続けられますので、CVE 等の修正対応など、あらゆる理由でリポジトリ上にフルアクセスを続けられます。

まだ質問がある場合は?

サポートにお問い合わせください。

Docker が発表した FAQ (2023年3月15日更新)※当時の古い情報

当時の FAQ の内容は以下の通りです。今となっては古く撤回された情報ですが、当時の発表を記録・比較する意図で残しておきます。

※以下の情報は3月15日公開時点の情報です。最新の FAQ を常にご確認ください。

自分が影響を受けるかどうかを確認するには?

Free Team の organization に自分が属しているかどうかを確認するには、 Docker Hub にログイン後、「Organization」をクリックします。

それから、Organizations の画面で一覧が表示されます。対象となる Organization の名前(Namespace)列を確認し、「Subscription」列が「Docker Free Team」と表示されている場合に影響を受けます。

なお、 organizations の一部に影響があったとしても、個々の Docker アカウントや他の organization には影響がありません。

また、今回の変更は Docker Personal、Docker Pro、有料の Docker Pro、 Docker Business 等のサブスクリプションには影響ありません。

オープンソースプロジェクトで使っている場合はどうしたらいいですか?

オープンソースプロジェクト向けの Docker スポンサード・オープンソース(DSOS)プログラムを提供し続けています。Free Team organization 廃止の影響を受けません。

Free Team organization から DSOS への参加を希望する新しい利用者は、DSOS の申請中がレビュー中の場合は organization の停止や削除を延期します。最終的に申請が却下されても、少なくとも30日間与えます。また、皆さんからの声をもとに、追加のプログラムやプランを提供するかもしれません。

2022年9月に基準を変更しました。過去の応募で却下された場合でも、全てのオープンソースプロジェクトが応募されるのを推奨します。スタッフは全ての申請を直ちに審査します。

Docker 公式イメージ (DOI) や Docker Verified Publishe (DVP) の場合はどうしたらいいですか?

DOI や DVP に影響はありません。

Free Team のプライベートリポジトリを使い続けるには?

organization のプライベートリポジトリは有料サブスクリプション機能です。過去の Free Team のプライベートリポジトリは 2023 年 4 月 13 日で停止となります。複数のサブスクリプションプランによって、プライベートリポジトリを利用し続けられます。詳細は料金表を参照ください。

(廃止された場合)他人に namespace を不法占有(squat)されますか?

organization が停止されたり、削除したり、自主的に離れたとしても、使っていた organization の namespace は解放されません。つまり、イメージは不法占有できません。

(解説:もし名前空間が解放されれば、有名な Free Team だった organization を第三者が再取得し、中身が改竄されたり悪意を持って工作される Docker イメージが配布されるのではという懸念がありました。その批判に対する回答と思われます。)

個人のアカウントにダウングレードできますか?

Free Team organization から Personal アカウントへのダウングレードは、現時点ではできません。新しい Personal アカウントを作成し、データのコピーはできますが、異なる名前空間を作成します。

Docker 以外のリポジトリを使っています。私のアカウントからデータを出力できますか?

はい、2023年 4 月 13 日までであれば、いつでも Docker レジストリのプライベートリポジトリからイメージを出力し、任意の別のレジストリにイメージを送信できます。

Docker サブスクリプション料金はいくらですか?

Docker Pro プランから始まる3つの有料サブスクリプションを提供しています。料金表をご覧ください。

Docker 有料サブスクリプションの利点は何ですか?

  • Docker Pro は、生産性を向上したい個人の開発者に最適です。
  • Docker Team は、生産的な共同作業をしたい小規模チームに最適です。
  • Docker Business は、集中管理と高度なセキュリティ機能が必要な企業に最適です。

有料サブスクリプションにアップグレードするには?

  1. docker.com に自分のアカウントでサインインします。
  2. バナーの「Upgrade」を選びます。
  3. アップグレードしたいプランを選び、利用者数を指定します。
  4. 支払手続きをします。

自分の Docker イメージは自動で有料サブスクリプションに移行しますか?

はい、Docker 有料サブスクリプションにアップグレードすると、自分のアカウントと関連するすべての設定、イメージ、リポジトリは、同じ名前と設定が 100% 維持されます。

他にも、追加情報等あれば、更新します。間違い等御座いましたら、ご指摘いただけますと幸いです。

参考情報

  • 1
    https://docs.docker.com/subscription/details/#docker-team

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